沢山基礎練習の楽譜があるけれど、これってどんな効果があるのかなあ?
時間もないし曲練習を早く進めたいわ。基礎練習って必要なのかしら?
トランペットの基礎練習には沢山の種類がありますね。
技術の向上には欠かせない基礎練習。その練習一つ一つに意味や効果があり、曲の演奏に繋がっていきます。
では早速解説していきましょう。
基礎練習とは?
読んで字のごとく基礎を練習することですね。
トランペットで言うと次のようなものが挙げられます。
音を安定させるのに必要な練習と、さらに高度な技術を付けていく練習と大まかに分けられるかと思います。
初心者さんがまず大事なのは、一つずつの音を安定させること。
ここにどれだけ時間を掛けられるかで曲の仕上がりが変わります。
基礎練習を絵に例えると「真っ直ぐの線」や「綺麗な丸」
みなさんに馴染みのあるもので例えてみましょう。
子供の頃によく描いた絵。
絵を描くときは真っ直ぐの線が書けることや、丸を綺麗に書けることがまず大事だそうです。
鉛筆を持ちたての子供の頃は、真っ直ぐの線も綺麗な丸も難しいものです。
何度も何度も書いているうちに、知らずとブレずに描けるようになりましたね。
そうやってパーツが揃ったら、それらを組み合わせてお花を描いたり、ウサギを描いたりできるようになるのです。
字を書くのも同じで、線と丸が綺麗に書ければその組み合わせで安定した字が書けるのです。
そう言われたら、絵って線と丸の組み合わせだよね。
だから基本は大事なんだね。
トランペットの基礎練習も曲のパーツを揃える作業
長い音の練習、短い音の練習、滑らかに吹く練習、ハッキリと吹く練習…
沢山種類はありますが、全て曲のパーツを揃えていく練習です。
パーツがあれば組み合わせるだけ。
と言っても組み合わせるのにも技術が必要なのですが、パーツを持っていれば一から頑張るよりも早いです。
安定した音同士をつなげるには…その音程間をイメージすることだけに集中できる。
逆に安定してない音同士は…まずその音を安定させるという作業が余分に生まれる。
曲を演奏する際は、できるだけ余分な考えなしに曲に入り込めることが大切だと思います。
そのためにパーツ揃えの基礎練習では、音の細部にまで気を遣い、自分の音のイメージを作っておくことが必要です。
そしてそれを何度も繰り返し、意識せずとも自然にできるようになるまで落とし込んでいくことが理想だと思います。
日々のコンディションを知る指標にもなる
繰り返し同じことを練習していると「昨日よりも吹きやすい」「息が楽だ」「少し腕が疲れやすいな」などの変化に気づくことがあります。
同じことをしていても全く同じようにいかないのが人間です。
「吹きやすい」などのポジティブな変化は、そのまま受け取ってどんどん練習を進めていきましょう。
逆に「疲れやすい」などネガティブな変化を感じるときは、それによって無理をしていないかをチェックしてあげましょう。
ずっと基礎練習を続けていれば「このぐらいだったらもう少し時間を掛けてロングトーンすれば調子が戻りそうだな」という風に、自分の調子をコントロールできるようになってきますよ。
こんな意味があったんだね!今すぐロングトーンしたくなっちゃった!
次はメニュー別にどんな目的でどんな効果のために練習していくのかを見てみましょう。
ロングトーン
ロングトーンでは息を長く使うことによって、吸う量や使う量をコントロールできるようにします。
基本的には吹きやすい音量で、無理に吹き込んで音が割れたりしないように注意します。
息の量や支えが安定しないと音も揺れてしまうので、自分の音をしっかり聴きながら練習しましょう。
出だしの発音や音の処理にも注意。出だしが強く当たりすぎたり、音の処理がプツっと切れてしまう事のないように息の出し方に気をつけましょう。
伸ばしている間も歌っているような気持ちで吹いてあげることが大切です!気持ちを込めて、ロングトーンです。
この音はあの曲の最後の音と同じだから、そんな気持ちで吹いてみようっと!
これから出てくる基礎練習の全ての基本になるのがロングトーンなので、しっかり身に付けておきたいです。 音のイメージを作って他の基礎練習に生かしましょう!
タンギング
トゥートゥーという発音で表現されるこの練習。音と音を分ける奏法です。
舌の使い方によっては息の流れを妨げてしまいやすいので、息の流れに注意して練習したいです。
と言いますか、舌の使い方というよりは息の流れを意識するのがかなりポイントだと思っています。
息の流れが妨げられると…音色に変化が出る、音が安定しない
といったことが起きます。
息の流れが良い状態というのは、ロングトーンを吹いているときのような状態です。
そのときは音色も吹いている感覚も良いと感じやすいと思います。
ですので、タンギングをしているときもロングトーンの時の音色を参考にというのが私の考え方です。
音色を意識して息を流していく。そうすれば安定もしますし、タンギングの形もブレにくくなります。
ちなみにアクセントなどの奏法も息の出し方が重要と考えています。
舌を強くするのではなく、息のニュアンスを変える。スピード感を出すイメージです。
ジャンルによっては舌の使い方を変えることもあるようですが、ひとまずここでは基本的なタンギングに留めておきます。
そっかあ、ロングトーンの時の音をイメージできれば色々と解決するんだね。
スケール
ドレミファソラシドを吹く練習ですね。
低い音から高い音、高い音から低い音への移り変わり方を練習します。
こちらもロングトーンで使った息の流れと、自分の出せる一番良い音を意識して練習していきたいですね。
スラー、テヌート、スタッカートなどいろんなバリエーションで応用練習もできますね。
慣れてきたら、色々な曲の調に対応できるように全調スケールを取り入れると更に良いと思います。
全調スケールはシャープやフラットがいっぱいで難しいけど…
頑張るぞ!!
リップスラー
指を変えずに息と口の動きで音の高低を変える練習です。
音を変えるということに意識がいくと、過度に口に力が入ってしまったり、息を頑張りすぎてしまうことが多いです。
まずはじめはきれいに音が変えられなくても大丈夫。
自分の一番良い音同士を繋げられるように意識してみてください。
特に上の音へ上がる時は、ほんの少し口を寄せて(アパチュアを狭くする)息を細くできれば、力づくでがんばらなくても出るようになります。
私的なポイントはここでもロングトーンの息遣い、音色を思い出して吹くことを意識することです。
なぜなら、力が入ったり息をがんばりすぎたりすると自分の一番いい音ではなくなるからです。
良いフォームで吹くことは楽器演奏においてとても大事なことだと思うので、無理やり頑張るのではなく自然な流れでできることを目標にしたいですね。
仕組みがわかったら上手に慣れそうな気がしてきちゃった!
まとめ
基礎練習のポイントや効果はお伝えできたでしょうか。
まだまだ基礎練習のメニューはたくさんありますが、私の考えは一貫して良い流れ、良いイメージ、良い音を目指すというものです。
たくさん自分の音と向き合って楽しく感じられたら、基礎練習の効果をより感じられると思います。
ひとつずつ「できた!」を増やしていきましょう!
それから、少し奏法について触れている部分もございますが、あくまでも私の方法です。奏者分だけいろいろな解釈があり、アプローチがあるので参考程度にしていただけたらと思います。
少しでも皆さんのお役に立てたら嬉しいです(^^)
では今日も基礎練習、がんばりましょう!
よーし!頑張るぞー!
私も頑張るわ♪
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