お悩み相談、第四弾!
今回は「高音をキレイに出すには」というお悩みです。
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では早速解説していきましょう!
高音が出る仕組み
まずは高音が出る仕組みを見ていきましょう。
息のスピード
トランペットで音を変える仕組みは主に息のスピードです。
ざっくりいうと↓
高い音=息のスピードは速く
低い音=息のスピードは遅く
このように変化させることが必要になります。
スピード感はどう変化させているのか
単に速い息を吹けと言っても、力で吹いてしまっては持久力が持ちません。
なので物理的に息のスピードが速くなる状態を作ってあげることがポイントです。
意識したいポイントは次の通りです。
- 唇の息が通る部分(=アパチュア)
- 口の中の広さ(顎の位置)、舌の位置(=シラブル)
これをうまく使い、スピードが上がる状態を作っていくのです。
アパチュアやシラブルは息の通り道になり、息のスピード感につながります。
基本的な動きとしては次の図のようになります。
口の中は舌の上を通って息が出ていきます。舌が上がれば息の通り道は狭く、下がれば広くなりますね。
上の表のように、息のスピードは息の通り道が狭ければ速く、広ければ遅くなるのです。
うわあ、今まで高い音はがむしゃらに息を吹いていたよ…
高い音は「フュー」、低い音は「フォー」、間の音は「フー」のようなイメージです。
確かに「フュー」「フォー」って声で言ってみたら、舌の位置がわかりやすいわね
そうです。母音が「U〜I」「U」「O」のように変わると舌の位置が変わるんです。
声で実際に言ってみるとわかりやすいですよ(^^)
園芸用ホースや口笛の話
文章ばかりだとわかりにくいと思いますので、実際に身近なもので想像してみましょう!
ホースで水を撒くとき
蛇口にホースを繋いでホースから水を出します。↓こんな感じ
水の勢いは変えないまま、ホースの先を指で潰して平らにすると水はどうなりますか?
勢いが増えて遠くまで飛んでいくんです。
私は小学校でよくこうやって水を撒いていたので、すぐにイメージできたのですが皆さんはいかがでしょうか?
そうそう♪遠くまで飛んでいくから、移動しなくても広く水が撒けたの。
これと同じように息の勢いはそのままに、通り道を狭くすると勢い(スピード)が増します。
トランペットの演奏ではこれに舌の位置や口の中の広さなど、もう少し複雑に絡み合っているのですが、原理としては同じです。
特に重要なのは、水の流れが一旦蛇口をひねってから変わらないように、息も常に豊かに流しておくことです。
なるほど〜音を移動するときも、ちゃんと繋がりを意識しないといけないね。
通り道は確保すること
そしてもう一つ。
先ほどのホースを、指で潰しすぎるとどうなるでしょうか?
出口が塞がれて水は出なくなりますね。
これもトランペットと同じ。
唇を閉じすぎると息が出なくなって音が途切れたり、出なくなったりするのです。
確かにどうしても力が入って、息の通り道をなくしてしまっていた気がするなあ〜
口笛が吹ける方は吹いてみる
口笛が吹ける方は一度試しに吹いてみてください。
キレイに音が出なくても良いので音を上げたり下げたりしてみてください。
すると口の中の動きはどうなっているかわかりますか?
舌が上がったり下がったりしていると思います。
これもトランペットを演奏する際の動きに非常に似ているので、イメージとして持っておくと良いと思います。
口笛はぼく得意なんだ〜♪
高音の出る仕組みまとめ
- 音の高さは息のスピードが関わっている
- 息の通り道が狭い=息のスピードが速い(高い音)
- 息の通り道が広い=息のスピードが遅い(低い音)
- スピードを変えるには物理的な状態を作ってあげる
- ホースで水を撒くときや口笛を参考に
具体的な練習方法(スケールなど)
さて、高音が出る仕組みはわかりましたか?
どれでは具体的な練習方法をご紹介します。
スケールでなくても、吹きやすい音からのアプローチができる練習であればOKです。
フロースタディなども有名な練習ですね。スラーで練習するのがおすすめです。
今回は次の楽譜を使って説明します。
自分の音をしっかり聞きながら
テンポは特に指定しません。自分の音をしっかり聞きながら、ゆっくり確かめて吹いてみましょう。
特に高い音に上がるとき、力ずくで吹いてしまうと音が割れたように聞こえたり、音量が増してうるさく聞こえたりします。音程が上がりきらないことも考えられます。
低い音に下がるときは息を弱めて吹いてしまうと、音量が小さくなって弱々しくなってしまいます。
こうならないように、しっかり自分の音を聞きながら。
最重要は息の流れ
一番大切なのは何よりも息の流れです。ですが、今までの経験上一番忘れたり犠牲になりやすいのが息の流れです。
大きな音でなくて良いので、息がスーーっと流れているのを確認しながら練習しましょう。
そして息が流れていれば、上記で説明した息の通り道をほんの少し意識してみましょう。
はじめは音がうまく出なくても大丈夫。何度も気長にチャレンジしてみてください。
音のツボを探す
特に高い音は音のツボを探すことがとても大切です。
音のツボにハマると、息を吹き込んだり、そんなに力んだりせずに音が出せるのです。いわゆる効率的な音の出し方になるということです。
音色に大きな違いが出るので、レッスンでもツボにハマった音は聞いていてすぐにわかります。
生徒さんも「確かに、めっちゃ簡単に音が出ました!」とおっしゃいます。
是非、ツボを見つけてみてください(^^)
焦らずコツコツと
自分の音を聞く習慣がないと、はじめは違いがわからないかもしれません。
根気よく続けていくことで、自分の音の変化に気付けるようになるはずです。
自分の音と向き合うことが上達へは不可欠です。
- スラーで行うのがおすすめ
- 同じ音量、音色を目指してゆっくり吹いてみる
- 息の流れが何よりも重要。その上でほんの少し高音の形に動かしてみる
- すぐに出なくても焦らないこと。何日もかけて自分の良いポイントを探す
- 無理をせず力んでしまう音が続いたら休憩する
参考動画
先ほどの練習を実際に吹いてみました。
まとめ
高音を出すにはいくつかポイントがありましたね。
その仕組みを理解した上で、息の流れを一番大切にしながら吹いてみる。
これだけでも力ずくで鳴らすことは少なくなってくるはずです。
自分の音と向き合い、良い音を目指すのはどの音域も同じです。
無理をせず、少しずつ音域を増やしていきましょう(^^)
質問やお悩み相談などあればコメントくださいね。
自分のペースでゆっくりやってみよ〜っと!
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